フィリップスのゲーミングモニター EVNIA 27M2N3500NL/11 27インチ レビュー
Philipsのゲーミングモニター EVNIA 27M2N3500NL/11 QHD(WQHD) 27インチ を購入したのでレビューします。当方はライトゲーマーで、ゲームをいい感じでやりたいというのはあるものの、メインの購入目的はPCの作業領域拡大です。このモニターはWQHD解像度ですが、 Nintendo Switch2 でもWQHD(QHDとWQHDは基本的に同じ意味です)対応しているようなので検討する価値はあるかと思います。
基本的なスペックは以下の通り
画面サイズ | 27インチ |
解像度 | 2560 x 1440(クアッド HD,WQHD) |
液晶パネル | VAパネル |
リフレッシュレート | 180Hz |
最大応答速度 | 0.5ms (MPRT) 1ms(GtG) |
入力端子 | HDMI 2.0 x 2、DisplayPort 1.4 x 1 |
スピーカー | なし |
先にこのモニターディスプレイの良いと思ったところを書いておくと
- 低価格帯でも入力が3系統あってとてもとても便利
- VAパネルでも全然綺麗で不満なし
- 27インチは程よく大きくて作業が捗って、しかも迫力十分
- ライトゲーマーには必要十分なゲーミング性能
です。
付属品と組み立て設置
HDMIケーブル一本とDisplayPort用のケーブルが一本付属しています。
組み立てはとても簡単なので特に記述しません。
マニュアルは極めてシンプルですので、熟知したい方はネットでチェックする必要があります。

EVNIA の価格の安さ
まずこのモニターを選んだ最大の理由が価格の安さです。メジャーなメーカーであるにも関わらずとにかく安い。
WQHD解像度で27インチであるにも関わらず2025/5/7現在、Amazonでは23,800円です。(セールでさらに安くなる場合も)。しかも Philips です。既にフィリップスのモニターはゲーミングではないものの一台所有していて、特に不満もなく使用しています。メジャーなメーカーなので信頼性にも期待できるかなと思いました。
作業領域拡大
購入の大きな目的は作業領域の拡大です。一つの画面にもっと多くの情報を表示させて作業効率を上げたいというのが一番です。
これまではフルHDの24インチモニター(ASUS)をメインとして作業していました。これを27インチのフルHDに変えても実は作業領域は変わらないんですよね。
一方24インチのWQHDに変えてしまうと作業領域は大きなるものの文字が小さくなってしまいます。
WQHD(2560 × 1440)はフルHD(1920 × 1080)の約1.78倍の解像度があるのでその分だけ表示領域が広くなります。
ですが24インチのWQHDにしてしまうと文字サイズは同じフォントサイズでも実際に見える大きさは約0.75倍と小さくなってしまいます。
なので以前と同じくらいのサイズ感のまま表示領域を拡大するには画面サイズを少し大きくする必要があります。そこで27インチというわけです。もっともWQHD解像度で24インチ以下のサイズはほとんど出回ってないですけど。
実際の文字の大きさの見え方を比較すると
フルHD 24インチ | WQHD 27インチ | |
16px(標準)文字の物理サイズ | 約 4.4mm | 約 3.7mm |
WQHD27インチの方がちょっと小さくなってしまいますが妥協しました。32インチだとほぼ同じサイズで表示できます。できれば32インチで使いたいところではありますが、まだ高い上にPCのモニターで32インチはさすがにデカすぎてスペースが足りません。
27インチでフルHD解像度だと、以前のディスプレイの解像度のまま拡大したのと同じなので表示が荒くなってしまいます。
4KではなくWQHDを選んだ理由
なぜ4KではなくWQHDを選んだかというと、まず「4Kが高い」これに尽きますが、それに加えてある程度の大きさが必要になってしまうという問題があります。
上で書いたように同じサイズだと解像度が高いほど文字は小さくなってしまいます。
シンプルにPC側の設定でフォントサイズを大きくしたりズームアップすればいいだけのように感じるかもしれませんが、特にアプリやWebサイトなどではフォントサイズを変更したりズームをすると表示が崩れてしまうことがまだまだ頻繁にあります。これはアクセシビリティを考慮して設計されていないサイトやアプリが未だ多く存在することによる問題です。
解像度を下げる設定もあるかとは思いますが、それだと4Kに高い金を出す意味が薄れます。
そして24インチ フルHDでの16px(webの通常文字サイズ)と同程度の見え方(物理的大きさ)を4Kで表示するためには48インチ相当が必要になってしまいます。これはさすがに無理ですね。
それとゲームをする際に、PS5やSwitch2で4Kに対応させるとフレームレートが最大で60Hzになってしまうということもあります。自分は画質はそこそこでいいので、可能な限り滑らかな映像の方を優先したいので4Kでなければいけないというほどではないです(実際WQHDでどれくらいのフレームレートが出るのかはわからないですけど)。
入力端子が豊富
このディスプレイのとてもとてもいいところはこの価格帯で入力が3系統あるところです!
HDMI2.0が2つとDisplayPortが1つの3系統装備されています。これがとても便利でMacとWindows、そしてゲーム機を接続したい自分にとっては非常にありがたいものでした。
PC(DisplayPort)、ゲーム機(HDMI)、FireTV(HDMI)なんて使い方も便利でしょうね。
ゲームもいい感じにしたい
そろそろPS5を購入しようかと思っていたところでNintendo Switch2の発売が発表されました。
Nintendo Switch2ではWQHDにも対応しているようです。
PS5 と Switch2 どちらもフレームレートは120fpsまで対応しているようなので、リフレッシュレートは180Hzもあれば問題ないと思いました。ライトゲーマーには十分です。
なお現在の自分のゲーム環境では60fpsが限界なので、このゲーミングモニターのポテンシャルはゲーム用途ではまだ十分に活かしきれていません。
VAパネルって大丈夫?
VAパネルは「高コントラストで黒が深い」という利点がある一方で、「視野角」や「応答速度」「色再現性」でIPSパネルに劣るとされます。ここが一番不安なところでした。
色合い比較
ちょうど同じ Philips のIPSパネルのフルHDモニター 226E9Q 21インチを持っているので同じ画像を表示させて比較してみました。
どちらも画質モードはプリセットの「FPS」です。

226E9Qがかなり古いモデルということを無視できないのと、解像度の問題もあるかとは思いますが、こうしてみると特段VAパネルが劣っているとは感じないですね。この比較ではIPSの方が色が濃い感じがして、画面右部分の花の色のコントラストがはっきりしない感じに見えますね。EVNIAのVAパネルの方がはっきり違いがわかります。
使用していてもとても綺麗に感じます。
視野角
角度をつけたところからの視点が下の写真です。


基本的にデスクに置いてイスに座った状態で使用するのであれば、視野角についてはそこまで気にする必要はないだろうと思いました。実際に特段問題はありませんでした。頭の位置を意識して移動させない限り気にする必要はないように思えます。
写真だと分かりづらいかもしれませんが、ある程度の角度をつけて見るとIPSパネルに比べて確かに見えづらくはなってますね。黒いベールがかかるとでも言いますか。ですがこの角度から見る機会はそれほどないと思いますし、基本的にデスクに置いてイスに座った状態で使用するのであれば、視野角についてはそこまで気にする必要はないだろうと思いました。
応答速度
応答速度については「 0.5ms (MPRT) 1ms(GtG) 」というスペックです。実際にこの性能が出ているかは自分では検証できませんが、ライトゲーマーの自分にとっては必要十分です。
スタンドがやや不安定かも
スタンドはやや不安定と言えるかもしれません。倒れそうってことではなく、モニターが少し揺れやすい気がします。ディスプレイの大きさも結構関係しているとは思います。デカい分重いですからね。
スピーカーはついてない
スピーカーは付いていません。代わりにオーディオ出力端子があり、ディスプレイ経由で音声を出力したい場合は別途スピーカーもしくはヘッドフォン等を用意する必要があります。
自分の場合はDTM用のスピーカーに2系統の入力があるのでさほど問題は感じませんが、別途スピーカーを用意するのもありかなと感じています。
しかしながらこの手の液晶モニターに付いてるスピーカーって基本しょぼいので(低価格帯ならなおさら)、もし付いていたとしても満足できないケースの方が多いんじゃないでしょうか。
安いスピーカーでも設置した方が幸せになれる気がします。
サポート対応爆速
スマートMBRという機能があるんですが、Mac miniに繋いだ状態だとこの設定をONにできませんでした。おそらく作動要件があるのだろうと思いましたが、オンラインマニュアルなどにもそれは記載されていなかったのでサポートに問い合わせしてみました。
するとその日のうちに返答が返ってきました。すごい。(時間がかかる場合もあるんでしょうけど)
作動要件は3つあって
- PC側でHDR設定をオフにする
- PC側のリフレッシュレートを60Hz以上に設定する
- モニター側のAdaptive sync をオフにする
とのことでした。
Mac版 鳴潮で使用してみた
Mac版の鳴潮で試してみました。自分のM1 Mac miniでは60fpsまでしか設定できませんが、視界を速く移動させても60fpsで十分ヌルヌルに感じます。十分快適。

画面の映りはとても綺麗に感じます。テレビほど大きすぎず、かと言って小さくもなく程よい大きさで迫力も十分に感じることができます。
この他、Mac版Arma3もプレイしてみました自分的にはとても快適でした。(M1 Mac miniでは低画質じゃないと無理でしたが)
ゲーミングモニターである必要はあるか?
ライトゲーマーなら別にゲーミングモニターでなくてもいいんじゃないか?とも思えます。しかし通常のWQHDモニターのリフレッシュレートは今のところ100Hz程度が多いんじゃないでしょうか。Switch2 のポテンシャルをフルに活かすなら(実際120fps出るかどうかはわかりませんが)やはり120Hz以上、尚且つ応答速度も速い方が精神的に良いかと思います。(違いがわかるとは言っていない)
ライトゲーマーにはおすすめ
入力が3系統あるのでPCでの作業とゲーム機を併用するライトゲーマーには便利で非常にコスパの良いモニターなのではないでしょうか。21、24インチからのインチアップにもとても良いと思います。
スピーカーが付いてて欲しい人にとってはちょっと残念かもしれませんが、やはり入力が3系統あるのは非常にありがたいです。メーカーも安心できるしサポート対応も早かったです。
ゲーム専用で使うにしても Switch2やPS5などでは必要十分な感じがします。