MOTU M2 / M4 Mac版ドライバの低レイテンシーってどういうこと?

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低レイテンシー?

MOTUのMac版Mシリーズ用ドライバが提供する低レイテンシーについて、ちょっと気になって調べたので書いてみます。

MacでMOTUのM2 / M4を使用する上でドライバのインストールは基本的には必要ありません。

MacのCore Audioがいい感じに動かしてくれます。

でもMOTUではMシリーズ用のドライバを用意していて、「オプションのMacドライバをインストールすることで、より良い速度(低レイテンシー)とループバック機能を提供します。」とウェブサイトに書いてあります。
ハイレゾリューションMOTU Mシリーズスタートガイドページ

私はもちろんインストールしてみましたが、ちょっと予想と異なりました。

インストールの解説はこちら→MOTU M2 / M4の使い方 ドライバインストール編(初心者向け)

Macにおいて、MOTUではバッファサイズをドライバソフトでも変更する機能はなく、ホストアプリケーションで変更する仕様になっています。例えばLogicやStudio OneなどのDAWですね。

そこでLogic proを使用して設定を確認してみました。

MOTUのドライバーソフトをインストールしていない状態で設定できるバッファサイズは最小(最高パフォーマンス)が32サンプルしたが、ドライバをインストールして設定画面をみたところ、この場合でも最小は32サンプルで同じ値でした。

そもそもドライバを入れなくても32サンプルに設定できるので、てっきりドライバを入れることでさらに低い値に設定、たとえば16サンプルとかに設定することができるものだと思っていたんですが違いました。まあ私には16サンプルどころか64ですら必要ありませんけど。

じゃあ低レイテンシーって何だろ?って考えてちょっと調べました。

バッファサイズとレイテンシーの関係

バッファとレイテンシーの関係として、レイテンシーには理論値があり、バッファサイズ32サンプル設定時で

サンプリングレートレイテンシー(ms、ミリ秒
44.1kHz0.73
48kHz0.67
96kHz0.33

となります。

ところがこれはあくまで理論値であり実際のレイテンシーはホストアプリケーションや実行環境などにより異なるんですね。

MOTU Mシリーズのドライバをインストールするとどうなる?

調べた結果、普通にM2のマニュアルに記載がありました。

一部引用します


MOTU M seriesユーザーガイド

Mシリーズのドライバは、非常に低い I/Oレイテンシーのパフォーマンスを供給します。(macOS と Windows 環境)例えば 32 サンプ ルバッファーサイズに設定された Mシリーズインターフェイス(96 kHz で起動)では、2.5ミリセカンド(Windows 環境)/2.5ミリセカ ンド(macOS 環境)のラウンドトリップレイテンシー(RTL)を実現します。

ということでラウンドトリップレイテンシーを見てみると

MOTU M seriesユーザーガイド

RTL は、アナログインプットから入力されたオーディオシグナルが、DAWホストソフトウェアを経由してアナログアウトプットから出力されるまでにかかる時間を表します。

とのことでした。
レイテンシーの理論値より、実際のレイテンシーに近い数値と言えると思います。

ドライバをインストールしていない状態のLogicで確認したところ次の結果

MOTU Mシリーズドライバを入れていないlogic proでの、結果のレイテインシ:ラウンドトリップ5.4ミリ秒(出力4.7ミリ秒)

結果のレイテンシ:ラウンドトリップ5.4ミリ秒(出力4.7ミリ秒)

そしてドライバをインストールした状態で確認した結果が次の画像。

MOTU Mシリーズドライバを入れたlogic proでの、結果のレイテインシ:ラウンドトリップ2.5ミリ秒(出力1.3ミリ秒)

結果のレイテンシ:ラウンドトリップ2.5ミリ秒(出力1.3ミリ秒)

おお!これか!

そこでバッファサイズごとに確認してみると

ドライバなしドライバあり
32サンプル5.4ms2.5ms
64サンプル6.9ms4.0ms
128サンプル9.8ms6.9ms

でもそういえばこれサンプルレート44.1kHzだった、、、

そこでサンプルレートを96kHzに変更して確認すると、

logic proでの、96kHz設定時の結果のレイテインシ:ラウンドトリップ1.5ミリ秒(出力0.8ミリ秒)

結果のレイテンシ:ラウンドトリップ1.5ミリ秒(出力0.8ミリ秒)

さらに小さくなりました。

これはサンプルレートが高くなると1秒あたりに処理されるサンプル数が増えるため、同じバッファサイズであれば、サンプルを処理する時間が短くなるからです。

私の環境、M1 Mac mini の Logic Proでは、MOTUが公表している96kHz設定時、バッファサイズ32サンプルでのラウンドトリップレイテンシー2.5msに対して1.5msというさらに優れた値が出ました。

環境によって変わるんでしょうけど。

MOTU Mシリーズドライバの低レイテンシーとは

MOTU Mシリーズ用のドライバが提供する低レイテンシーとは、当初考えていた「ドライバを入れることで、さらに小さいバッファを設定できるようになる」というものではなく、

「同じバッファサイズでも、ドライバを入れた方が高いパフォーマンス(ラウンドトリップレイテンシーが小さい)」というものでした。

納得しました。

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MOTUのMシリーズに搭載されているDAC用のチップは、ESS Sabre32 DACテクノロジーというAPOGEEの上位機種にも使用されているものが使用されています。

せっかく性能の良いチップが搭載されているのですから、この際モニタリング環境もアップグレードしたくなりませんか?

元が素晴らしい音でも出所がイマイチだとそれなりになってしまいます。少なからず恩恵はありますけど。

入門機でもできればそれなりのものを使用したいですよねえ。

おすすめはこちらのYAMAHAの定番機HS。3から8くらいまでありますが、近隣環境にもよりますが一般的な個室ならHS3、HS4、HS5くらいが丁度いい感じでしょうか。これならしばらく戦えます。


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